10月のもとで

モスクワから

失敗のサイクル、桐野夏生

桐野夏生の新刊「バカラ」では、カトリック系の新興宗教のキーワードとして出てくる。要は、飲酒とか喫煙とか姦淫とかの悪癖を絶ちましょうってこと。

表題に掲げたのは、はてさて、わたしの失敗のサイクルはなにかしら、と考えざるをえないから。出会い系、か。困ったことに、ロシアでもあるというか、こちらの方が盛ん。

 

たまには書評も。新刊が出たら必ず読む小説家3人の中のひとりの桐野(あとふたりは松浦理英子と高村薫なんだが、彼女ら2人は全然小説書かないし)。今回のは、前半は女の欲望を描いていて読ませるが、後半の少女の冒険譚のところは、原発推進派の陰謀論がリアリティー薄すぎる。とはいえ、福島事故であり得たシナリオの「東京避難勧告」の背景は、上手に描けてる。

 

そんなわけで、物語としては落第点だが、福島を再考するにはよい小説。