10月のもとで

モスクワから

めんどくさい、を避ける

口癖として、「めんどくさいからやだ」があって、自分の行動原理は「めんどくさいことを避ける」と思ってきた。

雪の中を歩くのめんどくさいから、郵便局いかない、とか、住民票つくるのめんどくさいから、区役所いかないとか、めんどくさいから手紙の返事書かないとか。

 

のはずなのに、振り返ってみると、めんどくさいをこといっぱいやってる。

引っ越しをいっぱいしているとか。これまで17回。引っ越しほどめんどくさいことないのに。働くのががむっちゃめんどくさいのはおいておくとしても、今年は週に2回外国旅行しようとしている。駅に入るのに荷物チェック、空港に入るのにも荷物チェック、乗る前には靴まで脱いでセキュリティー、飛行機で寝るために睡眠薬購入。こんなめんどくさいことないのに。離婚したとか。めんどくさいことこの上ないはずだ。

 

一般論として、セックスするとめんどくさいことになるケースが多いけど、幸いなことに、わたしはめんどくさいことになったことがない。もう少し生々しくいうと、妊娠、性病、修羅場なのだが。ない。数少ない誇れること。

 

要するに。大きなめんどくさいと小さなめんどくさいをごっちゃにするのは、範疇の誤謬なんだろう。たぶん、大きなめんどくさい、はそんなに嫌いじゃないんだ。

 

ひとつ書き忘れた。あなたはめんどくさい人間だ、とよく言われる。

「いつも言い過ぎるか、言い足りないかのどちらかだ。それが辛くてしょうがない」(サミュエル・ベケット「モロイ」)