10月のもとで

モスクワから

兄弟イワン

引き続き、演劇と文学の話。学生っぽくて。

ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」は馬鹿長い。でも、この19世紀世界文学の最高傑作のひとつを3時間ほどで演劇化したいと考えた演劇人は、終末近くの章「兄弟イワン」だけを抜き出した。この章はほとんどが会話で、物語のこれまでもおさらいしているので、たしかにこれだけで完結していて、そのうえ、とても演劇的。末弟アリョーシャがいろんな人物を訪ねまわってお喋りするだけなので。父殺しの犯人もだれか判明するし。

芝居を見るため、20年ぶりに読み返してみた(もちろんこの章と、それに続く最終章の裁判の場面だけ)。歳を重ねての再読で新たな発見があるかと期待したが、とくに。ドストエフスキーは理屈っぽい、ということくらいか。

舞台芸術スタジオ劇団のこれはすばらしかった。婚外子スメルジャコフ役の役者が圧巻。